天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「あなたは…誰よりも強い力を持ってるけど…力=強さではないの」

ティアナの言葉も、まだ幼いアルテミアには、理解できない。

(それでもいいわ。いつか、あなたにもわかる時が来る。でも、その時…あなたが…)

ティアナの心配をよそに、立ち上がったアルテミアの両手に神が降りてくる。

(この技は…)

目を見張るティアナに、アルテミアの両手から放たれた恐ろしいまでの気が、ティアナを直撃する。

「しかし!」

ティアナは、腕をクロスさせ、ライトニング・ソードを手に取った。




アルテミアの遠い記憶が、蘇ってきた。

(そうだ…あたしは…あの頃、雷空牙を使えたんだ…)

アルテミアは、自分では気付かなかったが、消された記憶があったようだ。

ネーナとマリーの戦いの後、少しだけ思い出していた。

(ごめんね)

目を閉じると…光の爆発の中、ライトニング・ソードを振るうティアナの姿が映った。

記憶は、そこで終わっていた。


「アルテミア!」

僕の声で、目を開けたアルテミアの前に、ジュリアンが現れた。

「は、速い!」

チェンジ・ザ・ハートを盾にして、ジュリアンの蹴りを受ける。

しかし、ジュリアンは…チェンジ・ザ・ハートを支点として、体を回転させ、左足を天に向けて上げると、

そのまま鞭のように振り落とした。
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