天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ジュリアンを倒す為には、まったく殺気を感じさせることなく、撃たなければならない。
それは、わかったけど…僕はジュリアンと対峙しながら、引き金を引くことができなくなっていた。
指先が震えていた。
(駄目だ…今逃げたら、殺される)
彼女に、恐怖を向けても、駄目だ。
(でも…)
僕の脳裏から、先程見えたジュリアンの瞳が消えない。
(彼女は…呪いに操られているだけなんだ…。それに…)
僕が撃てない理由…。
(彼女は、人間じゃないか!)
どんなに、血の洗礼を受け、ヴァンパイアの眷属になったとしても、血まみれになっていようと…。
(人間じゃないか)
今まで、僕が戦ってきたのは、すべて魔物だった。
ネーナやマリーは、人の姿をしていたが、どこか異様な雰囲気を醸し出していた。
だけど…ジュリアンは…。魔物の気を発しているが、そのベースは紛れもなく、人間だった。
人を殺すこと。
僕が、どれほどの魔物と戦い、倒してきたとしても…人を撃つなんてできない。
そんな僕の躊躇いに気づいたのか…ジュリアンは一歩僕に近づいてきた。
「ヒィ」
軽く悲鳴を上げ、後ろに下がろうとした僕の頭に、声が響いた。
(撃ちなさい!それが、あの子の為よ)
それは、わかったけど…僕はジュリアンと対峙しながら、引き金を引くことができなくなっていた。
指先が震えていた。
(駄目だ…今逃げたら、殺される)
彼女に、恐怖を向けても、駄目だ。
(でも…)
僕の脳裏から、先程見えたジュリアンの瞳が消えない。
(彼女は…呪いに操られているだけなんだ…。それに…)
僕が撃てない理由…。
(彼女は、人間じゃないか!)
どんなに、血の洗礼を受け、ヴァンパイアの眷属になったとしても、血まみれになっていようと…。
(人間じゃないか)
今まで、僕が戦ってきたのは、すべて魔物だった。
ネーナやマリーは、人の姿をしていたが、どこか異様な雰囲気を醸し出していた。
だけど…ジュリアンは…。魔物の気を発しているが、そのベースは紛れもなく、人間だった。
人を殺すこと。
僕が、どれほどの魔物と戦い、倒してきたとしても…人を撃つなんてできない。
そんな僕の躊躇いに気づいたのか…ジュリアンは一歩僕に近づいてきた。
「ヒィ」
軽く悲鳴を上げ、後ろに下がろうとした僕の頭に、声が響いた。
(撃ちなさい!それが、あの子の為よ)