天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「アルテミアの体--って、もとに戻れるってこと!もう僕と、合体していなくてもいいんだ!」

今の状況を忘れ、無邪気に喜んでいる僕を無視して、アルテミアは、自分の体と向き合う。

汗は止まらなかった。拭う暇はない。一瞬の動きが命取りとなる。アルテミアは、小声で呟いた。

「畜生…あたしって、こんなに凄かったのか…」

自分と対峙して初めてわかった。

敵は、目をつぶったまま、俯き加減に、アルテミアの前に立っているだけだが、プレッシャーが半端じゃない。

「アルテミア。どうやったら戻れるの?」

アルテミアはため息をつき、

「戻れるわけがないだろ」

「え?」

アルテミアは苦々しく、敵を睨んだ。

「何か入ってるからな」

アルテミアの言葉に、もう1人のアルテミアが不敵に笑って、こたえた。 

「やはり…気付いておったか」

もう1人のアルテミアは、顔を上げた。目はつぶっていたが、視線は僕をとらえていた。 

「ライ!」

アルテミアは、その声に過剰に反応した。チェンジ・ザ・ハートを握り締めた。

その様子に、ライは笑い出す。

「吠えたところで、貴様では、こいつには勝てん。このアルテミアキラーには」


「アルテミアキラー…」

僕とアルテミアは、声をそろえて、呟いた。

アルテミアキラーは、アルテミアを指差すと、

「モード・チェンジ」

アルテミアキラーの姿が変わった。


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