天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「この技は、避けれまい!」

アルテミアは、町を背にする場所に立っていた。

「しまった」

避ければ、町を直撃する。それに、こちらも雷空牙を打とうにも、チェンジ・ザ・ハートがない。



「アルテミア!」

突然、後ろから声をかけられ、驚いたアルテミアは、少しだけ顔を後ろに向けた。

「これを受け取れ!」

「ロバート!」

いつのまに、気がついたのか…ロバートが立っていた。

ロバートは、アルテミアに何かに投げた。後ろ手で、受け取ると、アルテミアは目を見張った。

「これは…」

ロバートは笑うと、両手を突き出し、結界を張り出す。

「後ろは任せておけ!」

「ロバート!これは、どういう意味だ!」

アルテミアが受け取ったものは…。

「サーシャが…最後に、戦いたいとさ」

ロバートは無理して、笑うと、

「指輪をはめろ!時間がない」

キラーは、できるかぎりの雷鳴を風を集めている…それは、大陸を吹き飛ばせる程の。

アルテミアに、迷っている時間はなかった。どうなるのかわからなかったか…ロバートを、サーシャを信じるしかない。

「さらばだ!アルテミア」

キラーの両手から、雷空牙が放たれた。

アルテミアは指輪を、右手の薬指にはめた。

(いくよ)

アルテミアの脳裏に、サーシャの声が響いた。

指輪は、つけるとすぐに、エメラルドグリーンの光を放ちながら、砕けた。

「サーシャ…」

ロバートは目をつぶると、結界を張る力をさらに、込めた。

アルテミアの手に、エメラルドグリーンに輝く長剣が現れた。

ソード・オブ・ソウル。

かつて、サーシャは肉体を刃に変えた。そして今は、魂を剣に変えた。

「サーシャ!」

迫り来る雷空牙に向かって、アルテミアはジャンプした。

キラーは慌てて、発動途中の空雷牙を放った。

昔、ティアナが、ライの空雷牙を切り裂いたように、アルテミアはキラーの雷空牙を切り裂いた。

「アルテミア!自分の体を切っては…」

僕の声を無視して、アルテミアは、雷空牙を2つに切り裂くと、目の前にキラーがいた。驚くキラーを、頭上から切りおろした。



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