天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「甘〜い」

マリーがにやりと、笑った。

アルテミアの後ろから、マグマのドラゴンが迫る。

「チッ」

何とか避けたが、少し左腕をかすってしまった。

アルテミアの赤いジャケットの肘辺りが、焦げる。

「同じ炎属性に、変わりながら…お前のモード・チェンジは、あたし達には及ばない」

「くそ」

アルテミアは再びエンジェル・モードになり、

炎と氷柱を、ただかわしていく。

その間にも、ポイントが減っていく。

「哀れな子。本当は…この空は、お前のものなのに」

マリーの姿が、変わる。

「人間で、いようとし…お父様の娘で、ありながら…天使を、気取るなんて」

「所詮!人間とのハーフなんて」

地上から、ネーナが飛んできた。

「悪魔…」

僕は思わず呟いた。

巨大な蝙蝠の翼に、口元からこぼれる牙…。

その姿は、人間ではなかった。

赤い瞳をぎらつかせ、

マリーとネーナは、先程とは比べものにならないくらいのプレッシャーをかけながら、

アルテミアと対峙した。
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