天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

瞳の中の敵

町から離れ、何もない草原での戦いの後、僕とアルテミアは、静けさの中で対峙していた。

僕の住む世界より、空気が澄んだこの世界。風が、草木の匂いを運び、空は果てしなく青い。

その中で、アルテミアキラーが付けていた黒い鎧を身につけ、両手にはトンファーを握っているにもかかわらず、

僕は何よりも、美しいと感じていた。

(そうだ…)

僕は今まで、自分自身でもわかってなかった。この世界の人々を守りたいとか…そんな正義感や、崇高な意志ではなく、僕がこの世界で戦う理由は、

(アルテミアが…好きなんだ)

夢の中で、初めて出会った時から、ずっと、

(僕は、アルテミアが好きだった)

それに気付いたところで、僕らがどうなる訳でもない。

「赤星」

僕のそんな気持ちに気付くはずもなく、アルテミアは僕を見、

「あたしはもとの体に戻った…もう、お前の体を使う理由もない。これで、さよならだな」

アルテミアの情も、未練もない言葉が、僕に突き刺さった。

(そうだよな…アルテミアにとって、僕なんて…)

そう…すねた瞬間、僕は………………………………

ベットの中で、目が覚めた。







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