天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ふわああ…」
退屈な授業に、退屈な日々。
命を奪われる危険がない世界は、こんなにも幸せなんだ。
アルテミアに肉体が戻った日々から、数日。
僕は異世界にいくこともなく、平穏な日々を満喫していた。
でも、平和は平和なりに、いろいろあるもので…。
ふっと通った校舎の裏側で、かつあげの現場に出くわした。
(馬鹿だな)
じっと見てしまうと、すぐ絡まれてしまうけど、絡んでくるやつなど、怖くなかった。
胸元を掴まれ、凄まれても…
(あの世界なら、凄む前に、殺してる)
余裕がある僕を、馬鹿は一回は殴るが…殴った後の僕を見て、誰もが動きを止めた。
(殺せる)
そう思う僕の態度と視線に、さらに切れる馬鹿か、ひるむ馬鹿か…。
さらに、殴ろうとした馬鹿は、半殺しにした。
驚いたことに、僕は異世界の影響か、前よりも数段強くなっていた。
「こうちゃん!」
無意識に、殴り続ける僕に…偶然通りかかった明菜が、叫んだ。
(いかん…)
僕は、いつのまにか馬乗りになり、かつあげしていた男を殴っていた。
確か、相手は三人いたはずだが…。周りを見回すと…いた。
すぐそばで、二人は気を失い、倒れていた。
「こうちゃん…どうして…」
顔を覆い、僕から後ずさる明菜。
「明菜…」
明菜へ手を伸ばした僕は、目を見張った。
「いやあああっ!」
明菜が絶叫した。
僕の手は、赤く染まっていた。
「ひ、人殺し!」
通りかかった女生徒が、叫んだ。
「え…」
僕の体は、返り血で染まっていた。
退屈な授業に、退屈な日々。
命を奪われる危険がない世界は、こんなにも幸せなんだ。
アルテミアに肉体が戻った日々から、数日。
僕は異世界にいくこともなく、平穏な日々を満喫していた。
でも、平和は平和なりに、いろいろあるもので…。
ふっと通った校舎の裏側で、かつあげの現場に出くわした。
(馬鹿だな)
じっと見てしまうと、すぐ絡まれてしまうけど、絡んでくるやつなど、怖くなかった。
胸元を掴まれ、凄まれても…
(あの世界なら、凄む前に、殺してる)
余裕がある僕を、馬鹿は一回は殴るが…殴った後の僕を見て、誰もが動きを止めた。
(殺せる)
そう思う僕の態度と視線に、さらに切れる馬鹿か、ひるむ馬鹿か…。
さらに、殴ろうとした馬鹿は、半殺しにした。
驚いたことに、僕は異世界の影響か、前よりも数段強くなっていた。
「こうちゃん!」
無意識に、殴り続ける僕に…偶然通りかかった明菜が、叫んだ。
(いかん…)
僕は、いつのまにか馬乗りになり、かつあげしていた男を殴っていた。
確か、相手は三人いたはずだが…。周りを見回すと…いた。
すぐそばで、二人は気を失い、倒れていた。
「こうちゃん…どうして…」
顔を覆い、僕から後ずさる明菜。
「明菜…」
明菜へ手を伸ばした僕は、目を見張った。
「いやあああっ!」
明菜が絶叫した。
僕の手は、赤く染まっていた。
「ひ、人殺し!」
通りかかった女生徒が、叫んだ。
「え…」
僕の体は、返り血で染まっていた。