天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「どういうことだ」

僕は、上空を見た。魔神が、襲ってきた時のような結界はない。

「なぜ…カードがある」

僕は、カードを確認しょうとした時、

「赤星!」

さっき、かつあげしていた三人組が、右側の校舎の角から、飛び出して来た。

「な!?」

僕は、唖然とした。

まさに、飛び出してきたのだ。空を飛びながら。

「フライング・アーマー!」

空中に浮かびながら、三人組が装着しているのは、まさしくフライング・アーマーだ。

「死ねえ」

フライング・アーマーの発射口が開き、ミサイルの束が、姿を見せた。

「馬鹿な…こんな所で撃ったら」

校舎は、全壊する。

僕は舌打ちすると、両手にファイヤクロウを装着した。

「いけや」

ミサイルは、全弾発射された。

と同時に、ファイヤクロウで空気をかき回すような仕草をした。

ファイヤクロウは、炎を操れる。

ミサイルの噴射口から、出る炎が揺れた。僕は、腕を回し、渦を作り、ミサイルの束が螺旋状に飛び回り…最後に渦を小さくすることで、ミサイル同士をぶつけた。

凄まじい爆風と音、光が周りを震わした。

僕は、身を屈め、次の攻撃に備えた。 

「どうなった?」

三人組は、爆風に煽られて、学校の壁を越えてしまった。

その瞬間、装着していたフライング・アーマーが消えた。

そして、壁の向こうに落ちた。

ちょうど、四階ぐらいの高さがあった。壁の向こうは、舗装された道路のはずだ。こちらから、向こうは見えない。

僕は走った。一番近い、裏門まで。



裏門をでて、右に曲がると、先ほどの壁の向こう側が見える。

僕は足を止め、顔を背けると、救急車を呼ぶことにした。

もう何人か野次馬が、群がっていた。

携帯が見つからず、もたついていると、誰かが呼んだらしく、遠くから救急車のサイレンの音が近づいてきた。

僕は悩んだが、落ちた場所に行くことをやめた。

落ちた理由は、わかっていた。

魔法が消えたのだ。

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