天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
怒りに震えている僕の横に、美奈子は立ち、先程僕が爪を刺し込んだ空間に、手をかざしてみた。
何の感覚もない。ただ空気があるだけだ。
「赤星くん。ぼやぼやしてる暇はないわ。さっさと、異世界とやらに、行きましょう」
美奈子の言葉に、僕は我に返り、美奈子の横顔を見た。その怖いくらい真剣な顔に、少したじろいだ。
「部長さん。あの世界は、危険です。そんな危険な世界に、あなたを連れていけません」
僕の言葉に、美奈子は僕の顔を見、きりっとした目で僕を睨んだ。
「そんな危険な世界に、あいつを置いていけるか!あたしは、部長なんだ!部員を助ける義務がある!」
「部長さん…」
僕は、美奈子の決意に感動した。不覚にも、涙が出そうになったけど、連れてはいけない。
僕は、自分のカードに命じた。
「スリープ」
僕の目を見ていた美奈子の全身の力が、抜けてきた。
「あ、赤星…て、てめえ…」
美奈子の瞳が、閉じられていく。
「すいません…」
倒れる瞬間、僕は美奈子を受け止め、静かに廊下の窓側の壁に、もたれさせた。
「ごめんなさい。もしかしたら、命を失うかもしれない…そんな危険な世界に、普通の人を連れてはいけないんです」
僕はもう一度、ファイアクロウを出すと、空間を刺した。
爪は空間に埋まり、僕は奥まで刺し込む。そして、一気に、下まで切り裂いた。
僕には、わかっていた。
今から、異世界に行くのは、これまでと違うことに。
アルテミアと融合し、彼女の保護の下に呼ばれ、目が覚めると、自分の世界に戻れる…そんな甘いことは、二度とないことを。
(僕は、自分の肉体のまま、あの世界にいくのだ)
それは、傷つければ、死ぬことを意味していた。
(でも…)
僕は、左手でカードをつまんだ。
レベルを確認してから、胸ポケットにしまうと、僕は左手の爪も刺し込んだ。
「いくぞ!アルテミア!」
切り裂いた空間に、一気に飛び込んだ。
アルテミアとともに戦い、得た力。
(簡単に、死ぬものかよ)
何の感覚もない。ただ空気があるだけだ。
「赤星くん。ぼやぼやしてる暇はないわ。さっさと、異世界とやらに、行きましょう」
美奈子の言葉に、僕は我に返り、美奈子の横顔を見た。その怖いくらい真剣な顔に、少したじろいだ。
「部長さん。あの世界は、危険です。そんな危険な世界に、あなたを連れていけません」
僕の言葉に、美奈子は僕の顔を見、きりっとした目で僕を睨んだ。
「そんな危険な世界に、あいつを置いていけるか!あたしは、部長なんだ!部員を助ける義務がある!」
「部長さん…」
僕は、美奈子の決意に感動した。不覚にも、涙が出そうになったけど、連れてはいけない。
僕は、自分のカードに命じた。
「スリープ」
僕の目を見ていた美奈子の全身の力が、抜けてきた。
「あ、赤星…て、てめえ…」
美奈子の瞳が、閉じられていく。
「すいません…」
倒れる瞬間、僕は美奈子を受け止め、静かに廊下の窓側の壁に、もたれさせた。
「ごめんなさい。もしかしたら、命を失うかもしれない…そんな危険な世界に、普通の人を連れてはいけないんです」
僕はもう一度、ファイアクロウを出すと、空間を刺した。
爪は空間に埋まり、僕は奥まで刺し込む。そして、一気に、下まで切り裂いた。
僕には、わかっていた。
今から、異世界に行くのは、これまでと違うことに。
アルテミアと融合し、彼女の保護の下に呼ばれ、目が覚めると、自分の世界に戻れる…そんな甘いことは、二度とないことを。
(僕は、自分の肉体のまま、あの世界にいくのだ)
それは、傷つければ、死ぬことを意味していた。
(でも…)
僕は、左手でカードをつまんだ。
レベルを確認してから、胸ポケットにしまうと、僕は左手の爪も刺し込んだ。
「いくぞ!アルテミア!」
切り裂いた空間に、一気に飛び込んだ。
アルテミアとともに戦い、得た力。
(簡単に、死ぬものかよ)