天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
次に、僕が気付いた時…
蟻地獄を抜け、砂漠を一人歩いていた。
僕は足を止め、振り返った。
後に知るサハラ砂漠の大火事は、僕の意識が戻った時は、もう鎮火していた。
少し焦げ臭い匂いは、僕の後ろに転がる魔物の焼死体の匂いだった。何百という魔物が、焼け死んでいた。
何があったのか、僕にはわからなかった。
しかし、悩んでる暇はない。
いつのまに移動したのか、目の前に町が見える。蜃気楼じゃないのかと疑い、カードを取出すと、ナビシステムを動かしてみた。
町は、本物みたいだ。もう砂漠を抜ける。
一応、ポイントを確認するが、減っていない。寧ろ、増えていた。
(戦ったのか?しかし、どうやって)
灼熱の太陽に、砂の照り返し……普段なら、焼け死んでてもおかしくないが、
もともと色白な僕の肌は、太陽に照らされても、焼けることなく、真っ白だし…この暑さが、心地よかった。
まだ僕は、自分の身に起こっていることを、知ることはなかった。
ただ、心が昂ぶり、少し興奮していた。心の底の何かが、目覚めていくように感じていた。
(不思議と、この世界に来てから、恐怖はない。昔は、怖くて仕方なかったのに…)
砂漠地帯に出現する魔物は、中級以上だ。一般人だけでは、決して渡ることができないのに…僕は難なく、砂漠を渡り終えた。
町の入口が見えてきた。
別に急ぐ必要はないので、ゆっくりと近づいていく。
(炎を使えるようになってから、ポイントが減らないなあ)
事実、召喚以外、ポイントを消費しない。
そんなことを考えながら、ぼおっと歩いていると、
石膏でつくられた建物が、立ち並ぶ町の上空を、何かの群れが飛び回っている様子が目に飛び込んで来た。
最初は、鳥かと思ったけど…心の奥が否定した。
(あれも、獲物だ)
僕の全身が熱くなる。
「どうなっている!?」
魔法を使ってないのに、指先から火花が散っていた。
蟻地獄を抜け、砂漠を一人歩いていた。
僕は足を止め、振り返った。
後に知るサハラ砂漠の大火事は、僕の意識が戻った時は、もう鎮火していた。
少し焦げ臭い匂いは、僕の後ろに転がる魔物の焼死体の匂いだった。何百という魔物が、焼け死んでいた。
何があったのか、僕にはわからなかった。
しかし、悩んでる暇はない。
いつのまに移動したのか、目の前に町が見える。蜃気楼じゃないのかと疑い、カードを取出すと、ナビシステムを動かしてみた。
町は、本物みたいだ。もう砂漠を抜ける。
一応、ポイントを確認するが、減っていない。寧ろ、増えていた。
(戦ったのか?しかし、どうやって)
灼熱の太陽に、砂の照り返し……普段なら、焼け死んでてもおかしくないが、
もともと色白な僕の肌は、太陽に照らされても、焼けることなく、真っ白だし…この暑さが、心地よかった。
まだ僕は、自分の身に起こっていることを、知ることはなかった。
ただ、心が昂ぶり、少し興奮していた。心の底の何かが、目覚めていくように感じていた。
(不思議と、この世界に来てから、恐怖はない。昔は、怖くて仕方なかったのに…)
砂漠地帯に出現する魔物は、中級以上だ。一般人だけでは、決して渡ることができないのに…僕は難なく、砂漠を渡り終えた。
町の入口が見えてきた。
別に急ぐ必要はないので、ゆっくりと近づいていく。
(炎を使えるようになってから、ポイントが減らないなあ)
事実、召喚以外、ポイントを消費しない。
そんなことを考えながら、ぼおっと歩いていると、
石膏でつくられた建物が、立ち並ぶ町の上空を、何かの群れが飛び回っている様子が目に飛び込んで来た。
最初は、鳥かと思ったけど…心の奥が否定した。
(あれも、獲物だ)
僕の全身が熱くなる。
「どうなっている!?」
魔法を使ってないのに、指先から火花が散っていた。