天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
防衛軍本部の頭上に現れたのは、天空の女神アルテミアだった。



アルテミアは、二メートルはある両翼で、全身を包むと、

回転し出した。

そして、白いドリルのようになる。

そのまま、防衛軍が迎撃態勢に入る前に、魔法障壁でコーティングされた地面を貫き、地下の本部内に突入していく。

アルテミアの姿が見えなくなったのを確認すると、クラークは手に力を込め、勢いよく、崖から飛び出した。

地面に着地すると、崖の底を覗き込んだ。

アルテミアの目的は、わかっていた。

しかし…。

クラークは、にやりと笑い、

「問題は、アルテミアがやつに勝てるかだ…」

アルテミアの勝敗によって、クラークの行動は変わる。

「少し前なら…勝てなかっただろう」

防衛軍本部は、クラークの立っている場所から、崖を挟んだ向こうにあった。

「今なら、勝てるはずだ」

クラークは、両手をスボンのポケットに突っ込むと、崖っ淵から、何もない空間に足を出した。

そして、ゆっくりと空中を渡っていく。向こうの地面まで、50メートルほど。

本部の上までたどり着くと、クラークはアルテミアが掘った穴まで行き、底を覗いた。

「さあ…アルテミアよ。今日、お前の人間ごっこは、終わりを告げることになる」

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