天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「何をしょうというの?」

明菜は、もう震えることはなかった。クラークを睨み続けた。

カードを取り出したクラークは、その変化に気付いた。

(こうちゃんが、助けてくれる)

なぜかわからないが、明菜には、赤星の存在を感じることができた。

「ほぉ…」

クラークは、発動させようとしたブラックカードを下げると、明菜に笑いかけた。

「赤星の気を感じたのか?」

明菜は、クラークの言葉に驚いた。

クラークは苦笑し、

「魔力のない君の心は、オープン過ぎる…にしても…君には素質があるのかもしれない。魔術士としての」

少しクラークは、感心すると、

(案外…使えるかもしれんな)

心の中で、ほくそ笑んだ。

「今はいい…。始めよう」


クラークが、ブラックカードを掲げた瞬間、凄まじい揺れが襲った。

「何?」

予期せぬ出来事に、クラークはバランスを崩した。

「馬鹿な…。ここは異空間…揺れるはずがない!」



クラークが驚き戸惑っている時、ジャスティンは覚悟を決めていた。

揺れは、何度も続き、格納庫全体が、軋んでいた。

ブラックカードを握り締めると、ジャスティンは格納庫内から、テレポートした。


格納庫は、何もない砂漠地帯にぽつんと、建っており、メインの格納スペースは地下にあるが、地上には、百メートル程の塔が突き出していた。

それは、カードシステムにより呼ばれたものを召喚するだけでなく、自然のパワーや太陽エネルギーを集める役目を果たしており、普段は砂嵐に隠され、表面はステルス加工されており、人の目につくことはない。

レンガ造りのように見える塔は、結界が張り巡らされており、現在入れるのは、ジャスティンとクラークしかいない。

その結界に、攻撃を仕掛けている者がいた。

アルテミアだ。




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