天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「あなたも、抑えられているようね」

舞子は、決して西園寺を見ない。

「抑えるって…って」


舞子は、3人を見据えながら、

「この世界で、欲望を抑えられないと…もとの世界、いや…人ではいられない」


笑いながら、ミサイルを打ち続ける神流の端正な横顔が、馬のような顔になり…魔物そのものに見えた。

すぐに、人に戻った。本人も今のに、気付いていないようだ。

「今のは何だ?どういう意味だ?」

確かにこの世界に来てから、妙に心が騒いでいたが。

西園寺の質問に、舞子は答えることはなかった。

そのまま、虐殺の様子をただ無表情に、見つめていた。


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