天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ライトニングソードは、僕の胸元から、左頬を切り裂いた。

傷は深いようで、鮮血が噴き出した。

「どうして!お前も!」

上段に構え、僕の頭に振り下ろそうとしたとき、ライトニングソードに僕の血が付着した。

すると、ライトニングソードは、トンファータイプに戻り、アルテミアの手から離れた。

「何?」

振り下ろしたつもりの剣がなくなり、唖然とするアルテミアの目の前に、巨大なライフルを持つ僕の姿があった。

(撃ちなさい)

少しパニックになっていた僕は、痛みと恐怖の為、突然頭の中に響いた女の言葉に頷き、素直に従った。

バスターモードになったチェンジ・ザ・ハートから、炎と雷鳴を纏った光の束が、アルテミアを至近距離から、直撃した。

「くそおおおおっ!」

咄嗟に、両手をクロスさせ、顔は守ったが、アルテミアは光に押され、地面をえぐりながら、数十メートル後ろに下がった。

「舐めるな!」

両手のクロスを解くと、光の束が消え去った。

「あああっ…」

僕は、声にならない声を出した。

バスターモードでダメージを与えられなかったことより、

アルテミアを、撃ったことを後悔していた。

黄金の鎧の埃を払うと、アルテミアは鬼の形相で、僕に近づいてくる。

「違う!違うんだ!アルテミア!」

僕は無意識に、後退った。必死に叫んでも、アルテミアには聞く耳はない。

「赤星風情が!」

怒りは、頂点に達していた。

「アルテミア!」
(殺せばいいだろ?)








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