天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
時間は、早朝5時だ。

朝靄のひんやりした空気の中、湖畔に佇んでいると、

向こう岸が見えない為、まるで海のように思えた。

「俺達は、時を越えられないから…。女神の力を借りなければならない」

ロバートは、アルテミアから一歩離れた。

「多分…やつは、赤星君の世界の過去にいる」

「え?どうして!」

僕の驚きを無視して、アルテミアはもう呪文を唱えていた。

アルテミアを中心として、砂浜に波紋が、広がる。

「いくよ」

アルテミアは、目を瞑る。

数センチ、砂場から浮き上がると、目を見開き、

「モード・チェンジ!」

アルテミアの体を、螺旋状に風が包み、竜巻が発生する。

ロバートは結界を張り、飛び散る砂から身を守る。

「これが…アルティメット・モード」

この世のものとは、思えない純白の真珠のような輝きをした鎧が、アルテミアの気を感じ、黄金よりも美しく輝いた。

そして、赤い瞳に、6枚の天使の翼。

アルテミアの最終形態である。

竜巻は、天高く舞い上がり…やがて、光の矢となり、

一瞬で雲を突き抜け、成層圏を突破し、大気圏から、衛星軌道上をも越える。

「どこまでいくだよ」

ピアスから、僕は叫んだ。




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