天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「時を越えるには、時がないところにいかなくちゃならない」

それは、宇宙だ。

星々に寿命があっても、宇宙そのものには、寿命はない。

実際には…あるのだが、時というものは、存在しない。

時は、生物や…自然、生きているものが、感じる――生きていられる期間を示すものだから。

人はある意味、時を紡いで、子孫へと繋げていく生き物なのだ。

「まずは、世界を跨ぐぞ」

そう言った瞬間、黄金の光に包まれたアルテミアの体に、何かがぶつかった。

しかし、ぶつかったものは、光に砕かれ、四散しながら、地球に落ちていき、大気圏で燃え尽きた。

「隕石!?」

赤くなり、燃え尽きた物体を見て、僕はやっと、理解できた。

アルテミアの足元を、巨大な建造物が通り過ぎていく。

それは、ちゃんと形あるものもあれば、鉄屑みたいなただのゴミもあった。

「人口衛星…なのか…」

次々に、流れていく塊。

「汚い星ね」

アルテミアは、眼下に見下ろす青い惑星に、顔をしかめた。

僕は、ロバートの言葉を思い出していた。

(科学が発展した世界は、魔法が発展した世界より、汚くなる)




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