天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
さらに、アルテミアは叫んだ。

「モード・チェンジ!アルティメット・ヴィーナス」

六枚の天使の翼を広げ、空中に浮かんだ。

「あんた達は、どうするの?」

アルテミアは、ロバートにきいた。

ロバートは、少し考えて…軽く肩をすくめた。

「行くよ」

ロバートは、体を防御する為、球状の結界をつくると、その中に入った。

アルテミアは、その結界を抱き抱えると、空高く舞い上がっていった。


すぐに、大気圏から出て、衛星軌道を越え、アルテミアは、地球を見下ろすところまで来た。

「時の狭間は、どこにある?」

結界を張っているが、空気に限りがある。

「時は…人のそばにある…」

アルテミアはそう呟くと、地球の輪郭を、じっと見つめる。


うっすらと、地球の輪郭が輝いてくる。

アルテミアの体が、じわじわと少しずつ、光に照らされていく。

「太陽…」

僕は、地球の後ろから、光が現れてくる美しさに目を見張った。

「あそこだ…」

太陽の光と、地球の輪郭の間。光と青の間の筋のような黒。

アルテミアは、太陽が姿を現す前に、ほんの少しの闇の輪郭へ、飛び込んで行った。

「眩しい…」

太陽の光が、アルテミアの半身…ピアスをつけてる方に、直撃していた。
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