天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
女の言葉を理解することなんて…僕にはできなかった。

ロバートは悩み、

サーシャは、女をじっと見つめていた。少し殺気みたいなものを、感じる。

いつでも、切りかかる…警戒しているようだ。

アルテミアは、スープをおかわりしていた。

皿を傾けながら、何を考えているのか……僕にもわからなかった。

「こ、この人は、誰…何ですか?」

僕は、空気を変えようと、基本的な質問を投げかけた。

「ああ」

ロバートが納得し、説明し出す。

「この世界の方で、君を助けてくれた人だ」

「もう具合は良さそうね」

女は僕に近づき、顔を近付けた。

顔色を見ているみたいだが、あまりに近すぎても、甘いいい臭いがした。

どきどきして、僕は顔をそらすと、慌ててスープを飲み出した。

女は、クスッと笑うと、僕がスープを飲み終わるのを待って、外に出るように促した。

僕らは四人は、女の後ろについていき、部屋を出ると、リビングを抜けて、外に出た。

一面に、広がるこの世界は、白い砂に覆われていた。

「え…」

純白な真っ白な砂だけの世界に、僕は圧倒された。

「空を見て!」

サーシャが叫んだ。

「何だ…あれは」

ロバートは、唖然とした。

無数の数え切れない程の…絹のような糸の束。

それが、蜘蛛の巣のように、地球に絡まっていた。

「あれが、世界」

女は切なげに、糸を見つめ、

「一本一本が…誰かの…世界」

アルテミアは、女を凝視した。

「あんたは一体…」

「あたしは…」

女はアルテミアを見、言葉に詰まると、視線を地面に落とした。

少し考え込むと、女は顔を上げて、アルテミアを見た。

「あたしは…紅(クレナイ)」

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