天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「紅…」

紅は、自分の言葉に頷き、

「あたしは…地球という世界から、落ちてきた」

紅はしゃがむと、足下の砂を拾い上げた。

「砂となって…」


「砂って…なんだ?」

ロバートは、紅の手を見つめた。

紅は、手を上に上げ、ゆっくりと手を開いた。

砂が、風に流れる。

「ここに落ちてくる者は、自分たちの世界で…不幸にも、第三者の手によって、殺されりして…目的を、達成できなかった者が…後悔と悲しみで、砂となって、落ちてくるところ」

「そんな話。初耳だ」

ロバートもしゃがみ、砂を確かめる。

さらさらしているが、普通の砂だ。

「これだけ、世界があるのに…死んでしまうことが、決まってしまった者は…どの世界に行っても、死ぬという運命は、変えられない」

紅は、僕の方を向き、

「どうしても…世界の運命に、逆らおうとする者は…砂にされて…この世界に、落とされるのよ」

紅のかざした手の平に、新しい砂が落ちてくる。

「世界を、危険にする程の人物…。あなたは、知ってるはず」

紅は、僕に向かって、手のひらを差し出した。

指の隙間から、砂がこぼれていく。



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