天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「信長!」

アルテミアは反転し、左手のトンファーを叩き込もうとする。

信長は、いとも簡単に、後方に飛んで避ける。

避ける方向を予測して、

サーシャが、手刀を繰り出す。

「親方様」

その場にいた武士が、立ち上がる。

「邪魔するではない」

蘭丸が制した。

もう彼は、動かない。

「殿は、遊んでおられる」

信長は逆に、サーシャに向かうと、間合いを詰め、

手刀を刀の柄で受けとめると、サーシャの腹に蹴りを入れた。

吹っ飛ぶサーシャ。

「信長!」

ロバートは、先程手に入れた剣を抜く。

「この世界は…意志の強さで、決まる」

ロバートの剣と、信長の刀がぶっかる。

「とすれば」

信長は笑った。

ロバートの剣が、真っ二つに折れた。

「弱いな…」

唖然とするロバートに、信長が、刀を突き刺そうとした瞬間、信長は後ろに、ジャンプした。

足元を鈎爪が、通り過ぎる。

「赤星!」

僕は、両手に付けた鈎爪を構えながら、信長に向かって走った。

信長はそれを見て、刀を捨ると、腰につけた短刀を抜いた。

勝負は一瞬だった。 



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