天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
二本の腕を交差させ、短刀より長いリーチを思い、決まったと僕が思った瞬間、

僕の首筋に、何故か…左手が差し込まれていた。

両手の鈎爪は、短刀でロックされ、動けない。

そのまま僕は、首を絞められ、一度持ち上げられると、床に叩きつけられた。

「クッ!」

僕の手から、鈎爪が消えた。

「勝負あった」


蘭丸は、言った。


「蘭丸!こやつらは、勇者なのか?」

「はい」

信長は鼻で笑い、

「お主の方が、楽しめたわ」


僕は何とか、信長の手から逃れようとするけど、びくともしない。

「このまま…首をはねようか?」

信長は、僕の顔を覗いた。

「赤星!」

アルテミアが、叫んだ。

「お遊びが、過ぎますね」

信長の首筋に、すぅと…武器が差し込まれた。

「紅!」

蘭丸は我慢できず、完全に立ち上がった。

「チェンジ・ザ・ハート!?」

アルテミアは、自分と同じ武器を初めて見た。

いつのまにか、信長のそばまで近づいた紅の手にあるのは、女神専用の万能兵器。

「どういうつもりだ?」

信長の問いに、

紅は軽く肩をすくめ、

「ちょっと…気に入らないだけ」

紅は、首筋からチェンジ・ザ・ハートを離すと、信長から間合いを取って、構えた。

「それに、話が違うわ」





< 433 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop