天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「信長様…」

天守閣から、光り輝き地球に纏わりつく世界達を....月に見立て、

信長は酒をくらう。

「女神達を、如何致しましょうか?」

蘭丸はそばに控え、信長を見守っていた。



「蘭丸」

静かに、信長は口を開けた。

「はっ」

信長は、空と砂をじっと、見ている。

「この世界に来て…何年だ?」

「ここには、時間はございませんが…もといた世界から考えますと…何百年か…」

信長は、酒を飲み干す。

「全国統一を、目指し…」

信長の空になったお猪口に、蘭丸が酒を注ぐ。

「この世界に、来てからは…異国の…」

フッと笑うと、

「異世界の者と、戦い続けて…この砂だけの、世界の王となった」

蘭丸は、注ぎ終わると、後ろに下がる。

「人生50年では…世界を統一できない…あの世界では、、味わえないことを、味わうことができた」

信長は振り返り、蘭丸を見た。

「お主のお陰だ」

「勿体無いお言葉です」

蘭丸は、深々と頭を下げた。

「退屈せぬ…人生だった…」

「の、信長様…」

「今回の事は…お前の好きに、すればよい」

信長は、お猪口を投げ捨てた。

「信長様…」

「蘭丸!出陣するぞ!」
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