天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「意志の強さ…」

僕は、拳を握り締めると、力を確認し、ベットを飛び出た。



「無空陣」

サーシャは、ドラゴンキラーを装着し、竜巻の流れに乗りながら、巻き込まれた敵を、切り裂いていく。

紅は、歌い始めた。

軍勢のほとんどの動きが、止まる。

「ファイヤー」

動けない敵に向かって、砂から作ったミサイルアーマーを装備したロバートは、次々にミサイルを発射した。

敵は、次々に砂にかえっていく。

「でも…数が多い」

サーシャが、騎馬隊を切り裂いていた時、

黒い風が、戦場を駆け抜けた。

死角から、風は槍を投げつけた。

気配を感じ、とっさに防御しょうとしたが、槍はサーシャに、突き刺さった。

「貴様も、死人だろが」

「サーシャ!」

ロバートの動揺から、結界が消えた。

サーシャは、空中から落下しながら、砂になっていく。

槍を放ったのは、信長だった。

そのそばに、蘭丸が控えている。

「少しは、戦い方を覚えたか…」

信長は嬉しそうに笑い、

「もうお前らでは、相手にならぬ」

結界が消えた為、進軍しょうとする軍勢を、信長は日本刀で制した。

そして、ゆっくりと刀の先を、家から出てきた僕に向けた。


僕は呼吸を整え、両手を握り締め、意識を集中した。

僕の両手に鈎爪が、装着され、炎が纏まりつく。

「バーニングクロウ」

異世界で、女神達との戦いで、僕が得た力だ。

それを見て、信長はにやりと笑うと、

「面白い」

両手を広げ、刀を下げながらも、切っ先は…僕に向けていた。

擦り足で、円を描くように、近づいてくる。

「行くぞ」

一気に、間合いを詰めた信長の日本刀と、

僕の爪が、ぶつかり合って、激しい火花を散らした。




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