天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
人として
「それは…」

思いも寄らない言葉に、驚く僕の腹を、信長は蹴り、身を離した。

バランスを崩した僕に、信長は、日本刀を突き出す。

「お前達の戦いは…そんな情けをかけることが、できる程…甘いものなのか?」

ゆっくりと、僕を睨みながら、近づいて来る。

「わしは…」

僕も、痛みを堪えて構える。

「情けをかけられる程…弱い存在か…」

「ち、違う…」

「赤星浩一!」

信長が、刀を振るう。

「違う…ぼ、僕は!」

僕も鈎爪を、振るった。

「ただ!信長様は生きて、世界を変えるべきだと、思っただけだ!」

「自惚れるな!」

「自惚れなんかじゃない!僕の思いだ!」

2本の武器が交差し、折れて、

中に舞った。


フッと信長は、笑った。

「天命とは…1人の人間の思いを、こえることもある。情を…挟むな。時に、冷酷なれ。甘さを捨てよ」

信長は突然、僕に背を向けると、歩きだした。

「だが…それが、力になることもある……か…」

「信長様…」

「お前は、そのまま戦え」

信長は、手にある…折れた日本刀を捨てた。

「お主の連れが、危ないぞ…。行ってやれ」

信長は足を止めずに、言った。

「赤星浩一!」




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