天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「もうあなた達は、帰れるわ」

紅は、僕達のそばに立ち、

「赤星君…あなた達をこの世界に呼んだのは…信長と、信長に頼まれた…あたし…。歌で導いたの」

紅は微笑み、歌をうたおうとする。

「待って!」

僕は止めた。

紅は、歌うのをやめた。

僕は、紅の顔を見つめ、

「あなたが、この世界に残る理由は、何ですか?」

「あなたには、関係ないことよ」

紅は、僕に背を向けた。

「あなたが、前に歌ったメロディー…YASASHISAですね」

「やさしさ…?」

紅は振り返った。

僕は頷き、

「僕の世界…地球のバンド、LikeLoveYouが、歌った曲…」

紅の動きが止まる。

「あの曲は…作詞、香月明日香」

「明日香ちゃん…」

紅は呟いた…。

「作曲…河野和美…真紅の歌姫」




僕の言葉を理解し、紅は嬉しそうに、笑った。

「そう…明日香ちゃんは…書いてくれたんだ」

紅は、静かに歌い出す…メロディーを。

すると、僕達をやさしい風が包んだ。

僕は、和美のメロディーにのせて、明日香の書いた歌詞を、歌い出す。

和美は涙を流し、

「もし…会うことがあったら…明日香ちゃんによろしくね…」





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