天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
窓口の向こうで、

眼鏡をかけた小太りの女性は、事務的な口調で言った。

書類に判を押すと、

「吸血スライムに、襲われたみたいだねえ〜。パトロール中の式神ポリスが、死体を発見しているし…捜索テレパシー班が、生力反応の停止を確認しています」

事務員のあまりにも事務的な口調に、僕の前に並ぶ…男の人は、がくっと肩を落とした。

生力とは…生命力のことらしい。

「一応、遺品を預かっていますので…あちらの窓口で、受け取って下さい」

事務員は、男に書類を差し出すと、

「あと…隣の市役所で、死亡手続きを、忘れないように。はい、次の人」

「は、はい!」

僕は緊張しながら、前に出た。

「誰をお探しですか?」

僕は舞い上がり、

「ア、アルテミアの居場所をし、しりた、しりたい、で、です」

しどろもどろになる。

「アルテミア…。アルテミア…アルテミアさん…アルテミア!!!」

事務員は叫んび、思わず席を立ち、

「ア、アルテミアって…あのア、悪魔のような…あのアルテミアですか?」

なぜか、事務員は怯え出す。

アルテミアという名前に、捜索所内が騒然となる。

(アルテミアは…死んだはずじゃ…)

口々にそう呟きながら、怯え出す人々。

「と、とにかく!た、確かめてみます」

事務員は怯えながらも、魔法レーダーのスイッチを入れた。
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