天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「きゃはははは!」

物凄い数のミサイルと、光の束が、湿原を駆け抜けていた。


逃げ惑う魔物達の群れに、それらは降り注ぐ。

爆音が轟き、爆風の中を切り裂くように、鋭い爪を突き出して、神流が襲い掛かる。

猪の体に、象のような鼻を持つ魔物を切り裂くと、内臓を抉り取り、そのままトカゲのような5メートルはある魔物に向かって、左手を突き出すと、光の槍が串刺しにした。

そして、ミサイルの直撃を受け、倒れた魔物の腹に、ヒールの先を突き刺し、ねじ込む。

「あんたたちはみんな!あたしに殺されるのよ!」

歓喜の雄叫びを上げると、神流の全身から、光の槍が数え切れないほど飛び出し、あらゆるものを串刺しにしていく。



「あいつは…派手だねえ」

遠くから響く爆音に、クククと含み笑いをしながら、正志が呟いた。

「魔物なんて…殺し飽きたし…最近、なかなかレベル上がらないしさあ」

「やめて…」

暗闇の中で、正志は舌を動かしていた。

「もう…結構、レベル上がたしなあ」

正志は、闇の中で何かに吸い付き…鼻息を荒くした。

「やめろ」
「あんたらは…一体」

暗闇の外から、声がした。

「黙ってろ」

正志の言葉に反応して、ブラックカードが輝いた。

「うぐうぐ…」

悶え苦しむような声が数分続き…やがて、聞こえなくなった。

「いやあ!」

女の泣き声だけが、闇の中で続いていた。

「すぐ終わるからよ」

正志の声は、興奮していた。


「まったくよお。魔物の群れから、助けてやったんだからさ。ちょっとぐらいいいだろ。減るもんじゃないしよ」

正志は、気を注ぎ込んだ。



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