天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「アルテミアがいる!!」

捜索所内は、パニックになる。

だけど…

式神の下にいる僕を見て、

しばらくの沈黙の後、

「えー!!」

人々は、まじまじと僕を見て、さらに驚きの声を上げた。

「式神の…エラーかしら」

事務員は、ほおっと胸を撫で下ろし、式神を見た。

僕も頭をかきながら、仕方なく笑った。

「でも…」

事務員はペンで、もう1つの点滅部分を、押さえた。

地球が消え、映像が浮かぶ。

映し出されたものは…

ドラゴンやモンスターの群。

それに、戦隊を組んで、戦う人間達。

「38度線…。最終ラインだわ」

「最終ライン…?」

事務員は頷き、

「人間と、魔王の境界線です。魔界への入り口でも、あります」

「魔界?」

事務員は教えてくれた。

僕が知っているアジア〜ヨーロッパ〜ロシアは、魔王が支配する魔界であり、

かつて…まだその土地が、人間のものだった時、

そこに住んでいた何億人もの人々の命を犠牲にして、

何とか、大陸全体を覆う障壁を創ったらしい。

しかし、綻びがあった。

それが、38度線であり、

アルプスとヒマラヤ山脈付近であると。
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