天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ここは?」
西園寺は、見知らぬジャングルにいた。
咄嗟に、テレポートした為、行く場所を、まったく決めていなかったのだ。
ただ…目の前で燃えていく松永と、下からの恐怖から逃れたい一心だった。
その為、夜という時間の中、もっとも危険な森をいう空間に、1人佇むことになっていた。
辺りは真っ暗であり、頭上の月さえ、分厚い雲に隠されており、まったく視界を奪われていた。
(もう…夜?少し意識が飛んでいたのか?)
西園寺は、自分自身に舌打ちすると、ブラックカードを確認した。あれがないと、魔力を使えない。
ブラックカードはあった。
西園寺は少し安心すると、早速、暗視ゴーグルを召喚した。まずは、視界を確保しないと。
何も見えなかった周囲が見えるようになると…西園寺は歩き出した。
もしその時…西園寺が逆の方向に歩いていたら…運命は変わっただろう。
しかし、運命は必然だ。
西園寺はゆっくりと、歩き出した。
そう…ここに来たのもまた、運命だった。
夜の暗闇の中にいるのに…一匹も魔物が襲いかかって来ないのは、なぜ。
普通なら、そんな疑問を持つはずだが……………
異世界から来た西園寺には、注意力がかけていたのだろうか。
いや、違う。
何かが、西園寺を引き寄せていたのだ。
(水の臭い?)
自分の背丈より高い草花を、かき分けながら、数分進んだ西園寺の目の前に、
それはいた。
そこは池というより、泉という感じの澄んだ水場。
あれほど暗かった周囲の中で、泉の中央だけに…月明かりが落ちていた。
泉は、木々に縁取られ、人が休める場所はない。
そんな泉の中央に、人はいた。
水面の表面を爪先で立ち、六枚の翼をたたんで、物憂げな表情で…水面に映る自分を哀れむように見つめた…少女。
西園寺は、茂みの隙間から、少女を見、息を飲んだ。
それは、この世界で見た…何よりも美しく、気高かった。
いや、自分がいた世界でも見たことがない。
天空の女神アルテミア。
これが、西園寺との出会いだった。
西園寺は、見知らぬジャングルにいた。
咄嗟に、テレポートした為、行く場所を、まったく決めていなかったのだ。
ただ…目の前で燃えていく松永と、下からの恐怖から逃れたい一心だった。
その為、夜という時間の中、もっとも危険な森をいう空間に、1人佇むことになっていた。
辺りは真っ暗であり、頭上の月さえ、分厚い雲に隠されており、まったく視界を奪われていた。
(もう…夜?少し意識が飛んでいたのか?)
西園寺は、自分自身に舌打ちすると、ブラックカードを確認した。あれがないと、魔力を使えない。
ブラックカードはあった。
西園寺は少し安心すると、早速、暗視ゴーグルを召喚した。まずは、視界を確保しないと。
何も見えなかった周囲が見えるようになると…西園寺は歩き出した。
もしその時…西園寺が逆の方向に歩いていたら…運命は変わっただろう。
しかし、運命は必然だ。
西園寺はゆっくりと、歩き出した。
そう…ここに来たのもまた、運命だった。
夜の暗闇の中にいるのに…一匹も魔物が襲いかかって来ないのは、なぜ。
普通なら、そんな疑問を持つはずだが……………
異世界から来た西園寺には、注意力がかけていたのだろうか。
いや、違う。
何かが、西園寺を引き寄せていたのだ。
(水の臭い?)
自分の背丈より高い草花を、かき分けながら、数分進んだ西園寺の目の前に、
それはいた。
そこは池というより、泉という感じの澄んだ水場。
あれほど暗かった周囲の中で、泉の中央だけに…月明かりが落ちていた。
泉は、木々に縁取られ、人が休める場所はない。
そんな泉の中央に、人はいた。
水面の表面を爪先で立ち、六枚の翼をたたんで、物憂げな表情で…水面に映る自分を哀れむように見つめた…少女。
西園寺は、茂みの隙間から、少女を見、息を飲んだ。
それは、この世界で見た…何よりも美しく、気高かった。
いや、自分がいた世界でも見たことがない。
天空の女神アルテミア。
これが、西園寺との出会いだった。