天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「馬鹿目!これくらいの電撃で、わしを倒せると思ったか!」

泉の中央が盛り上がり、電気を纏ったまま、竜巻のように水が上昇すると、

電気は拡散し、水は弾け飛んだ。

その中から現れたのは、赤い鎧を身につけ、白い髭をたたえ、全身が筋肉の塊のような巨人。

「我を、罠にかけたつもりか!笑止!天空の女神よ!」


「ポセイドン!」

遥か天上から、再び雷が、落ちてくる。

その雷とともに、アルテミアが落ちてくる。



音より早いアルテミアのかかと落としを、ポセイドンは片腕で受けとめた。

雷鳴の輝きが、辺りをフラッシュバックのように照らし、

西園寺は、暗視ゴーグルを付けていたことを後悔した。



水面が弾け、電流が拡散した。

西園寺は、暗視ゴーグルを外し、ただ…神々の戦いを見守ることしかできなかった。

薄闇に包まれていた木々が、アルテミアの攻撃によって、昼間のように、明るくなっていた。

烏のような黒髪や翼も関係なく、光り輝くアルテミアはまさしく女神だった。
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