天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ただその身に大き過ぎる力を、持て余す…不安定で、脆い存在…」


三人は、空から落ちてくると、水面で羽を広げ、止まった。

アルテミアの前と、左右の後ろに。


それぞれが、蝙の羽を持ち、一本、二本、三本の角を持つ魔神。

「バイラ!サラ!ギラ!」

アルテミアは、三人を睨み付けた。



「何だ…あいつらは…」

アルテミアを囲むように、陣を取る三人の魔神。

西園寺は、ブラックカードを握り締めていることに気付き、カードで三人を検索することにした。

カードのディスプレイに、アルテミアと魔神三人の表示が映る。

剣に乗っている女は、シークレット…検索対象になっていない。魔神達は…。

「ロスト?」

死亡と表示されている。


「てめえら!生きてやがったのか!」

アルテミアの叫びに、正面に立つバイラが、頭を下げた。

「天空の女神よ。我々は確かに、あなた様によって、滅ぼされてました。しかし」

バイラの目が、赤く輝く。

「魔王ライのお力により、再び、この世に復活することができました」

「そう…」

「砂の世界より」

ギラとサラも頭を下げた。

「砂の世界…」

アルテミアは呟いた。

「そして、我々は新たな主を得、ここにあなた様に、」

「お別れと…」

「絶望を与える為に、参上致しました」

バイラの言葉に、アルテミアは眉を寄せ…鼻で笑った。

「絶望?…だと!どうして、おまえ達如きが、あたしに、絶望を与えられるんだ?」
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