天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
(俺は…何をやってるんだ)
西園寺はミサイルの連弾とともに、茂みから飛び出すと、アルテミアを抱き上げ、テレポートした。
行き先を追跡されない為、意識を無にし、飛んだ場所は……
初めて、この世界に来た所…砂漠だった。
「チッ」
西園寺は舌打ちした。何もない砂漠は、隠れるところがない。
アルテミアを砂の上に、優しく横たえると、ブラックカードを取出し、町がないか探る。
(あの場にいたやつら……あれが、魔神か)
西園寺の体に震えが走った。醸し出す雰囲気、感じる魔力…どれもが、今の西園寺を凌駕していた。
(へたすれば、死んでいた)
自分の行動が、信じられなかった。
なぜ、アルテミアを助けたのか。
そんな疑問が浮かんだ時、西園寺の手を払うものがいた。
アルテミアだ。
ブラックカードが、西園寺の手から、地面に落ちた。
「貴様!何のつもりだ!」
意識を取り戻したアルテミアは、何とか立ち上がろうとするが、まだ力が入らないようだ。
手を貸そうとした西園寺を、アルテミアはキッと睨んだ。
驚いたことに、両手両足の腱を切られたはずなのに…傷口が、もう塞がっていた。
(何という回復力…)
西園寺が感嘆していると、アルテミアはふらふらと立ち上がり、
視線の先に、砂の上に落ちたブラックカードを掴んだ。
カードキーを叩き、操作しょうとするが…暗証番号が違う為、発動しない。
「くそ!」
アルテミアは、ブラックカードを砂に叩きつけようとしたが、
止めた。
ちらっと横目で、西園寺を見ると、
無言でブラックカードを、西園寺に差し出した。
「あ…」
手を伸ばし、受け取った西園寺の首筋に、アルテミアは目をやった。
微かについた2つの歯形を確認し、呟くように言った。
「今日は、見逃してやる…よ」
そう言うと、アルテミアはまだ完全に治っていない足を引きずりながらも、歩きだした。西園寺に背を向けて。
西園寺はミサイルの連弾とともに、茂みから飛び出すと、アルテミアを抱き上げ、テレポートした。
行き先を追跡されない為、意識を無にし、飛んだ場所は……
初めて、この世界に来た所…砂漠だった。
「チッ」
西園寺は舌打ちした。何もない砂漠は、隠れるところがない。
アルテミアを砂の上に、優しく横たえると、ブラックカードを取出し、町がないか探る。
(あの場にいたやつら……あれが、魔神か)
西園寺の体に震えが走った。醸し出す雰囲気、感じる魔力…どれもが、今の西園寺を凌駕していた。
(へたすれば、死んでいた)
自分の行動が、信じられなかった。
なぜ、アルテミアを助けたのか。
そんな疑問が浮かんだ時、西園寺の手を払うものがいた。
アルテミアだ。
ブラックカードが、西園寺の手から、地面に落ちた。
「貴様!何のつもりだ!」
意識を取り戻したアルテミアは、何とか立ち上がろうとするが、まだ力が入らないようだ。
手を貸そうとした西園寺を、アルテミアはキッと睨んだ。
驚いたことに、両手両足の腱を切られたはずなのに…傷口が、もう塞がっていた。
(何という回復力…)
西園寺が感嘆していると、アルテミアはふらふらと立ち上がり、
視線の先に、砂の上に落ちたブラックカードを掴んだ。
カードキーを叩き、操作しょうとするが…暗証番号が違う為、発動しない。
「くそ!」
アルテミアは、ブラックカードを砂に叩きつけようとしたが、
止めた。
ちらっと横目で、西園寺を見ると、
無言でブラックカードを、西園寺に差し出した。
「あ…」
手を伸ばし、受け取った西園寺の首筋に、アルテミアは目をやった。
微かについた2つの歯形を確認し、呟くように言った。
「今日は、見逃してやる…よ」
そう言うと、アルテミアはまだ完全に治っていない足を引きずりながらも、歩きだした。西園寺に背を向けて。