天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
老婆は、村の一番奥にある神社のような建物に入って行った。
鳥居のような巨大な2つの十字架でできた門を、老婆はくぐっていく。
「心配はない。真のバンパイアが、十字架くらいで死ぬ訳があるまいて」
十字架の下で、老婆は初めて振り返った。
「!」
その顔は、人に似ていたが…どこか違った。
とんがった耳に、異様に大きな瞳。
思わず身構えた僕に、老婆はにやりと笑った。
「あたしは、先祖の血が色濃く残っているからねえ」
「先祖?」
それは、明らかに人ではないはずだ。
「おやおや、そうだったねえ〜。あんたら、外の人間は、肌の色だけで、同胞を差別するんだったねえ」
老婆の言葉に、僕は考え込んだ。
(差別…外の人間?)
「あんたが来た世界でも、あっただろ?特に、あんたの生まれた国は、同じ民族なのに、国籍で差別している」
訝しげな表情をしていた僕の顔が、引きつった。
老婆は、そんな僕をじっと見つめ、
「あたしは、エルフの血が混じってるのさ」
そう言うと、老婆は建物に向かって歩きだした。
「あんたは、自分を知らな過ぎる。そして、この大陸のことも」
鳥居のような巨大な2つの十字架でできた門を、老婆はくぐっていく。
「心配はない。真のバンパイアが、十字架くらいで死ぬ訳があるまいて」
十字架の下で、老婆は初めて振り返った。
「!」
その顔は、人に似ていたが…どこか違った。
とんがった耳に、異様に大きな瞳。
思わず身構えた僕に、老婆はにやりと笑った。
「あたしは、先祖の血が色濃く残っているからねえ」
「先祖?」
それは、明らかに人ではないはずだ。
「おやおや、そうだったねえ〜。あんたら、外の人間は、肌の色だけで、同胞を差別するんだったねえ」
老婆の言葉に、僕は考え込んだ。
(差別…外の人間?)
「あんたが来た世界でも、あっただろ?特に、あんたの生まれた国は、同じ民族なのに、国籍で差別している」
訝しげな表情をしていた僕の顔が、引きつった。
老婆は、そんな僕をじっと見つめ、
「あたしは、エルフの血が混じってるのさ」
そう言うと、老婆は建物に向かって歩きだした。
「あんたは、自分を知らな過ぎる。そして、この大陸のことも」