天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「もういいかしら?」

リンネは、ため息をつくと、

「そろそろ…。あんたらの大切な格納庫を、破壊させて貰うわ!」

リンネの全身が、赤く輝いた。

ギラが指をパチンと弾くと、砂嵐を防いでいた風の壁が、消えた。

いきなりの砂嵐の復活にも、クラークは体勢を崩さずに、次元刀を召喚させた。

舞子は、少し体勢を崩した。

そこに、神流が襲い掛かる。

「舞子!」

神流の鋭い爪が、舞子の喉を掻き切ろうとする。

舞子は、砂に目をやられながらも、ブラックカードを取り出した。

すると、飛び掛かっていた神流が、目の前から消え、
もとの場所に戻った。

「き、貴様!」

もといた所に、降り立った神流は歯ぎしりした。

舞子の能力…相手の時をとったり、足したりすることができる。

対峙する特定の人物にしか、効果を発揮できないが…時繰りといわれる力だった。

今、神流が飛び掛かる時間をとったのだ。

「神流…」

舞子は、神流を見つめると、神流に向けて、手を差し出した。

「神流!遊んでないと、さっさといきな!」

リンネは神流に向かって、叫んだ。

「チッ」

神流は舌打ちすると、舞子から放たれた光の矢を避け、テレポートした。

「あたしたち…魔神は格納庫に入れないけど…安定者なら、入れるんでしょ」

リンネは、クラークにウィンクした。

クラークは、舞子に叫んだ。

「追え!」

「無理よ」

リンネは、微笑んだ。

舞子の前に、ギラが立ちふさがった。

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