天空のｴﾄﾗﾝｾﾞ｛Spear Of Thunder｝

｢はっ!｣

全員が声を揃えた後、30の風となり､

障壁を張る結界士達を飛び越え、障壁をすり抜ける。

｢無空の陣！｣

轟が叫ぶと、風は下から上空に向けて吹く。

上昇気流が、時折雷鳴に反射して、煌めく。

その瞬間､

五匹のﾄﾞﾗｺﾞﾝが、空中で細切れになった｡


｢各自。距離を保ちながら、攻撃せよ｣

破片になったﾄﾞﾗｺﾞﾝの死骸に気付き、地を這うｺﾞﾌﾞﾘﾝの群が、天に向かって吠えたてる｡

｢死ね｣

その群の中へ、静かにｻｰｼｬが飛び込んだ｡

(ﾎﾟｲﾝﾄ、ｹﾞｯﾄ)

先程のﾄﾞﾗｺﾞﾝを倒したﾎﾟｲﾝﾄが､各自に加算される｡

ｻｰｼｬは、左人差し指をこめかみに当て、ﾄﾞﾗｺﾞﾝｷﾗｰを装着した右手を、前に突き出した｡

｢ｻｲﾚﾝﾄ･ﾎﾞﾑ｣

そう呟くと、ｻｰｼｬの周りの半径5ﾒｰﾄﾙの空間が歪む｡

宇宙空間のように、空気のない密閉空間を作り出したのだ｡


そばにいたｺﾞﾌﾞﾘﾝ達の体が、破裂する｡


｢うりああっ!｣

(ﾎﾟｲﾝﾄ、ｹﾞｯﾄ)

ｻｰｼｬはﾄﾞﾗｺﾞﾝｷﾗｰを構え、ｺﾞﾌﾞﾘﾝ達を切り刻む｡

｢纏え！風を｣

ｻｰｼｬの叫びに呼応して、ｶｰﾄﾞからﾎﾟｲﾝﾄが減ると、

その代わりに、緑の風がﾄﾞﾗｺﾞﾝｷﾗｰに絡みつく｡

｢ｴﾒﾗﾙﾄﾞ･ｷﾗｰ!｣