天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「烈火のリンネと…蛍火のフレア…。ただ敵を燃やし尽くし、灰と化す。それが、我ら炎の騎士団。そんな中で、お前だけは違っていた。敵を倒す為ではなく、仲間を癒し…暖かく包むような炎…」

不動は、愛しそうにフレアを見下ろし、

「まるで、魔王の気まぐれでつくられたような…存在」

フレアは、軸足を踏み締め、腰を捻ると、全身をしならせ、鞭のように蹴りを繰り出す。

「無駄だ」

不動は、一歩前に出ると、フレアの蹴りを避けることもなく、ただ威圧感だけで、フレアを吹き飛ばした。

「気合いだけで、埋められる差ではない」

後方に、尻餅をついたフレアの首を絞め、不動は持ち上げた。

「このまま…焼き切ろうか?」


「姉さん…」

ガタガタ震えが止まらないメロメロは、叫んだ。

「あ、兄貴!」

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