天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
轟は休むことなく、ドラゴンに切りかかる。

鎧の性能もあり、轟はほとんどポイントを使わずに、すんでいた。

「ポイントがなくなった者は、補充しろ」

轟が叫んだ。

「隊長…」

指示をとばす轟の前に、ウイングアーマーをつけた5人の隊員が、近寄ってきた。

空中で制止した轟は、部下達の異変に気づいた。

「どうした?松田!ジョンソン!泊!井筒!スケット!」

「隊長…に、逃げて下さい…」

そう言うと、隊員達の顔に赤い線が浮かび、断層の亀裂のようにスライドした。

「な…」

血吹雪を上げながら、隊員達の体は、ゴブリンの群に落ち、

ゴブリンの何百もの手に、体を引きちぎられた。


「やめろ!」

轟は、地上に向かって、急降下する。

その間に、ドラゴンが放つ雷を吸収し、槍に溜める。

槍が、地上に突き刺さった瞬間、

地面が、雷によって爆発する。

吹き飛ぶゴブリン達。

爆風で、砂埃が巻き起こり、周囲の様子が一瞬、わからなくなる。


すぐに、砂埃は消え、視界が戻ったが、もう引き裂かれた遺体も判別できなかった。

持ち主を亡くしたカードだけが、轟の周りに転がっていた。

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