天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「何があった?」

カードを拾おうとした轟の動きが、止まった。

ゴブリンやゴーレムの群の向こうに…

巨大な旗が立ち、風に靡いていた。

先程までは、なかったもの。

「あれは…」





司令部は、パニックになっていた。

旗を見ただけで。

司令官は震えながら、わなわなと旗を見つめていた。

黒字に、雷が落ちたような紋章。

「天空の騎士団…」


かつて、アルテミアの側近であった…3人の魔神。

108いる魔神の中で、騎士を名乗れ、旗を持つことを許されているのは、

たった7人だけ。

しかし…主を亡くし、存在価値すらなくなった部隊。

この部隊には、騎士は3人もいた。

「神クラスがいるなんて…馬鹿な」

司令官は取り乱し、そばにいる部下に詰め寄った。

「なぜだ!神クラスは、ここを突破せずとも、どこからでも、障壁を出られるはずだ!」

「司令…わ、私にもわかりません」

「なぜ…」

司令官は絶句した。

凄まじいプレッシャーが、前線にいるすべての人に降り注ぎ、

レベルの低い者は地面に跪き、高い者は軽い目眩を感じた。

司令官は、プレッシャーの元である空を見上げた。
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