天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ケケケケケ!」
不気味な笑い声を発しながら、空から数十匹の翼を持つ魔物が、降りてくる。
さっきまで、赤星とクラークの死闘が行われていた場所。
カラス天狗に似た魔物は、ただ1人その場で、崩れ落ちている舞子を見つけ、
「魔力を失った赤星浩一を、討伐しに来たが…」
舌なめずりをし、
「まさか…人間の女に出会うとはな」
同じ顔のカラス天狗が頷く。
「それも〜混ざっていない純潔の人間の女だ」
カラス天狗達は、楽しそうに笑い合うと、舞子に近づいていく。
「何があったのかな?お嬢ちゃん」
「こんなところで、1人いたら〜」
「恐ろしい魔物に〜」
「殺されるよお〜!」
風が吹いた。
「え?」
その瞬間、前にいた三匹のカラス天狗の首が飛んだ。
「な!何だ!」
後ろにいたカラス天狗達は、後退り…震えだした。
「こ、こ、この魔力は…」
「さっきまで、感じなかったのに…」
異様な魔力を感じ、慌てて飛び上がろうとした残りのカラス天狗の翼が、一瞬にして切り裂かれた。
「ヒイイイイ」
悲鳴を上げ、尻餅をついたカラス天狗達に向けて、ゆっくりと、舞子は振り返った。
その姿に、カラス天狗達は言葉を失う。
氷のように冷たいガラスのような瞳に、透き通る肌。
姿形は、人間だが…そこから受ける圧倒的な雰囲気は、人間ではなかった。暖かさの欠片もない…氷の塊。
それは、炎の騎士団長リンネと対極にある姿だった。
氷の魔女。
はだけた胸元から、2つの乳房が見えた。そこに張り付けた二枚のブラックカード。
舞子は、女を捨てた。
勿論、人も。
それは、この地にいる赤星浩一を殺す為。
「クラーク…」
人として、最後に流す涙が、氷の魔女となった舞子の頬を溶かした。
これが、最後の暖かさだから。
「魔神…!」
カラス天狗達は、自分達よりも、数段上の魔力に震え…いや、それが恐れからだけではなかった。全身が、凍り付いていたのだ。
舞子から漂う冷気は、
赤星と不動との戦いでできた……まだ熱いマグマの湖さえ、凍らせていった。
不気味な笑い声を発しながら、空から数十匹の翼を持つ魔物が、降りてくる。
さっきまで、赤星とクラークの死闘が行われていた場所。
カラス天狗に似た魔物は、ただ1人その場で、崩れ落ちている舞子を見つけ、
「魔力を失った赤星浩一を、討伐しに来たが…」
舌なめずりをし、
「まさか…人間の女に出会うとはな」
同じ顔のカラス天狗が頷く。
「それも〜混ざっていない純潔の人間の女だ」
カラス天狗達は、楽しそうに笑い合うと、舞子に近づいていく。
「何があったのかな?お嬢ちゃん」
「こんなところで、1人いたら〜」
「恐ろしい魔物に〜」
「殺されるよお〜!」
風が吹いた。
「え?」
その瞬間、前にいた三匹のカラス天狗の首が飛んだ。
「な!何だ!」
後ろにいたカラス天狗達は、後退り…震えだした。
「こ、こ、この魔力は…」
「さっきまで、感じなかったのに…」
異様な魔力を感じ、慌てて飛び上がろうとした残りのカラス天狗の翼が、一瞬にして切り裂かれた。
「ヒイイイイ」
悲鳴を上げ、尻餅をついたカラス天狗達に向けて、ゆっくりと、舞子は振り返った。
その姿に、カラス天狗達は言葉を失う。
氷のように冷たいガラスのような瞳に、透き通る肌。
姿形は、人間だが…そこから受ける圧倒的な雰囲気は、人間ではなかった。暖かさの欠片もない…氷の塊。
それは、炎の騎士団長リンネと対極にある姿だった。
氷の魔女。
はだけた胸元から、2つの乳房が見えた。そこに張り付けた二枚のブラックカード。
舞子は、女を捨てた。
勿論、人も。
それは、この地にいる赤星浩一を殺す為。
「クラーク…」
人として、最後に流す涙が、氷の魔女となった舞子の頬を溶かした。
これが、最後の暖かさだから。
「魔神…!」
カラス天狗達は、自分達よりも、数段上の魔力に震え…いや、それが恐れからだけではなかった。全身が、凍り付いていたのだ。
舞子から漂う冷気は、
赤星と不動との戦いでできた……まだ熱いマグマの湖さえ、凍らせていった。