天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
天空の騎士団に囚われた明菜と、アルテミアを助けに向かう時…。まだ僕が、弱かった時。

「チェンジ・ザ・ハート!」

僕は、ライトニングソードから槍へと変えると、

それをフリスビーのように、上空へ飛ばした。


チェンジ・ザ・ハートは、凄まじい勢いで回転し、こうを描くように僕に戻ってくる。

その間に、骸骨達を蹴散らしながら。

「いくぜ!」

僕はジャンプし、チェンジ・ザ・ハートに飛び乗った。


「ぎゃあああっ!」

断末魔のような叫び声を上げる骸骨の群れを、見下ろしながら、僕はチェンジ・ザ・ハートの上…回転する支点に、足を置いて、バランスをとっていた。

下から、剣を投げ付けてくる者もいたが、チェンジ・ザ・ハートが弾いてくれた。

「赤星!」

ティフィンが、前を指差して叫んだ。


「キィィイイ!」

奇声を発しながら、骸骨の鳥が飛んでいく。

「骨だけで、どうやって飛んでるんだ?」

鳥は、鋭い嘴を向けて飛んでくる。

近づいてくると、その異様な大きさに気付いた。

翼を入れると、十メートルはある。

「邪魔だ!」

チェンジ・ザ・ハートの軌道上を避けて、接近する巨大鳥の嘴が、回転するチェンジ・ザ・ハートの外円を、こえたと見た瞬間、

僕は両足を調節して、チェンジ・ザ・ハートを少し上に向けた。

チェーンソーのように回転するチェンジ・ザ・ハートが、鳥の首筋を削り、切り取った。

鳥の嘴が、あと数センチで刺さる手前だった。 

しかも、鳥は一匹ではない。


「構ってる場合ではない」

僕は両足を使い、チェンジ・ザ・ハートを旋回させた。

少し遠回りにはなるが、何とかして城に入るのが、先決だ。


「ティフィン!顔を伏せてろ!」

僕は、城を支えている石の壁向けて、チェンジ・ザ・ハートごと体当たりをした。

表面が崩れただけで、穴は開かない。

仕方なく、何度かぶつけようと、壁から離れたとき、骸骨の鳥の群れが、迫ってきた。
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