天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「しつこい!」

僕は、もう一度ぶつかってから、壁に張りついて、鳥達を待った。

鋭い嘴を突き出して、僕にまっすぐ向かってくる。

僕は心の中で、にやりと笑った。

できるだけ引き付けて、僕はチェンジ・ザ・ハートの動きを止めた。

浮力がなくなり、下に落ちる僕は、すぐに槍にしたチェンジ・ザ・ハートを、壁に突き刺した。それでも、二メートルは落ちた。

頭の上で、壁に嘴を突き刺した五匹の鳥の目の前の壁に、ヒビが入る。

僕は何とか、チェンジ・ザ・ハートにしがみ付き、足を絡めて、突き刺したチェンジ・ザ・ハートの上に立った。

そして、しなる力を利用して、ジャンプした。

「ライトニングソード!」

突き刺ささっていたチェンジ・ザ・ハートが分離し、

僕の手元と交差すると、ライトニングソードに変わり、落ちるスピードも利用して、鳥達の首を切り裂いた。

そして、落下する僕は、ライトニングソードを投げ、再び槍になると、円盤状に回転し、僕を乗せると、

嘴の刺さっている壁目がけて、体当たりした。

石の壁が崩れ、僕は柱の中に、突っ込んだ。

鳥達の首が、瓦礫とともに落ちていく。

「ここは…」

真っ暗な空間に、僕はチェンジ・ザ・ハートをホバーリング状態で、空中に停止していた。

開けた穴は、すぐに塞がり、完全な闇に変わった時、灯りがついた。

それは、松明の灯りだった。

「何?」

僕は、上下を見回した。

地上から、天へと昇る…巨大な階段が、筒状の石の壁にそって、続いている。上は見えない。

僕が浮かんでいるのは、すっぽり抜けた螺旋階段の吹き抜けだ。

落ちたら、下までまっ逆さまだ。

階段に着地すると、深呼吸をし、息を整えた。

「赤星…」

ティフィンが、心配そうにTシャツから、顔を出した。

「大丈夫!心配するな」

螺旋状に、松明も続いている。

見上げる僕の目の前を一瞬、何かが通り過ぎた。

暗闇の底で、甲高い金属音がしたと思ったら、また何かが上がっていく。

「なるほど…もうズルはゆるさないと…」

それは、巨大なギロチンだった。

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