天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「赤星!」

ティフィンの絶叫が、螺旋階段にこだました。

もう数千体は、倒した僕の体力…というより、肉体は限界を迎えていた。

ついに、骸骨の騎士の一体の剣が、僕の体に突き刺さった。

「くそ…」

まだ一撃だ。

前に出ようとした僕の背中にも、剣が突き刺さった。
「キャッ!」
「な…」

ティフィンは思わず、僕の背中から、頭上に逃げた。

下から迫っていた骸骨達も、僕に追い付いたようだ。

少し動きが止まった僕に、次々に剣が突き刺さる。

「赤星!」

ティフィンが、僕に近づこうとしたのを、制した。

「逃げろ…ティフィン…」

剣を突き立てられた僕は、仰向けの状態で、剣を突き刺されたまま、まるで神輿のように、頭上にかかげられた。

骸骨達の歓声は、沸き上がる。

「赤星!」

もうティフィンの声も聞こえない。

薄れていく意識の中、ティフィンの泣き顔が見えた。

「早く…逃げろ…」




(僕は死ぬのか…こんなところで…結局…何もできなかった……)



「赤星!!!」

ティフィンの声も、もう僕にはきこえなかった。

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