天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「なんじゃ!」

自分の攻撃にダメージを受けて、訳がわからない入道の目に、ジェシカの拳が迫ってくる。

そして、ジェシカの腕は入道の一つ目から、後頭部まで突き抜けた。

シュッと腕を抜くと、ジェシカに、マリアの命が飛ぶ。

「後は、雑魚だけだから、一気に殲滅して」

「了解!」

ジェシカは頷くと、叫んだ。

「モード・チェンジ…」

ディグの全身から、鋭い刺のようなものが、飛びだし、四方に飛び散ると、

ディグを中心とした半径数十キロが、光に包まれ…部屋にいた狐達は、骨も残らず、消滅した。






「何だ!この映像は?」

監視式神からの送られてくる映像を、ライブで見ていた西園寺は絶句した。

明らかに、このきのこ雲は、日本人である西園寺には、ある映像を思い起こさせた。

「核を使ったのか!」

西園寺は、隣に立つマリアを睨んだ。

「はい」

マリアはきのこ雲を、冷たい表情で、見つめながら、頷いた。

「馬鹿な!あり得ないだろ!それに、君は言ったはずだ!核は、通用しないと」

西園寺の言葉に、マリアは頭をかき、

「それは…魔神クラスのことで…あの程度の魔物を一掃するには、核が一番です」

マリアは、じろりと西園寺を見た。

「しかし、これじゃ…人は住めなくなるぞ」


「問題ないじゃないですか…こんな辺境の土地」

マリアは、きのこ雲の映像に魅せられていた。
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