天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
赤星浩一
「死んだか…」
骸骨の兵士達によって、玉座の間に連れてこられた赤星の体に、生気はない。
全身を剣で貫かれ、血だらけの体は……生きているとしたら、奇跡だった。
「いかに…不死のバンパイアと言えども………魔力を封じられ、人の身となれば、死にもする」
レイは、玉座から降りると、何もない石だけの部屋を、歩き、赤星に近づいていく。
「赤星様……」
檻の中で、フレアは崩れ落ち…嗚咽した。
その嗚咽に気付いたレイが、振り返った。
その瞬間、フレアを閉じ込めていた檻が消えた。
「もうお前を捕らえておく必要は、なくなった。どこへでも行くがよい」
檻がなくなった瞬間、フレアは走りだし、レイを追い越すと、床にほおり投げられた赤星に、駆け寄った。
そのまま、赤星にすがり着く。
「……フレアっと言ったな…。貴様は何をしている?もうこやつの意識はない。あとは、我がこやつの心臓を食らえば…すべてが終わる」
フレアは顔を上げ、キッとレイを睨むと、両手を広げ、赤星を守る。
「フッ…。やめておけ。お前程度では、我を燃やすことは不可能…」
レイは訝しげに、自分を睨むフレアを見つめ、
「お前の…この行動の意味は何だ?仲間を…主君を守る……いや、違う。これは、時折人が見せる行為だ」
フレアの体が、燃え上がる。
「自己犠牲……いや、愛と言ったかな?」
フレアの必死な形相に、レイは目を細めた。懐かしそうに。
「かつて、我もそれを知りたく思い……人間の妻をめとった……。子供まで、孕ましたが……その愛などというものは、理解できなかった」
レイは、右手をさらした。手刀を形作り、電気がスパークする。
「下らなかった。もういらんと判断し…その結果生まれし、子供を殺そうとした時……人間の女も、そんな顔をしていた」
骸骨の兵士達によって、玉座の間に連れてこられた赤星の体に、生気はない。
全身を剣で貫かれ、血だらけの体は……生きているとしたら、奇跡だった。
「いかに…不死のバンパイアと言えども………魔力を封じられ、人の身となれば、死にもする」
レイは、玉座から降りると、何もない石だけの部屋を、歩き、赤星に近づいていく。
「赤星様……」
檻の中で、フレアは崩れ落ち…嗚咽した。
その嗚咽に気付いたレイが、振り返った。
その瞬間、フレアを閉じ込めていた檻が消えた。
「もうお前を捕らえておく必要は、なくなった。どこへでも行くがよい」
檻がなくなった瞬間、フレアは走りだし、レイを追い越すと、床にほおり投げられた赤星に、駆け寄った。
そのまま、赤星にすがり着く。
「……フレアっと言ったな…。貴様は何をしている?もうこやつの意識はない。あとは、我がこやつの心臓を食らえば…すべてが終わる」
フレアは顔を上げ、キッとレイを睨むと、両手を広げ、赤星を守る。
「フッ…。やめておけ。お前程度では、我を燃やすことは不可能…」
レイは訝しげに、自分を睨むフレアを見つめ、
「お前の…この行動の意味は何だ?仲間を…主君を守る……いや、違う。これは、時折人が見せる行為だ」
フレアの体が、燃え上がる。
「自己犠牲……いや、愛と言ったかな?」
フレアの必死な形相に、レイは目を細めた。懐かしそうに。
「かつて、我もそれを知りたく思い……人間の妻をめとった……。子供まで、孕ましたが……その愛などというものは、理解できなかった」
レイは、右手をさらした。手刀を形作り、電気がスパークする。
「下らなかった。もういらんと判断し…その結果生まれし、子供を殺そうとした時……人間の女も、そんな顔をしていた」