天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
レイの背中に当たるぎりぎりで、その力は落ち、城の半分と、城の周りを囲んでいた数万の骸骨の兵士を、消滅させた。

「逃げるな」

僕は、レイを睨んだ。

「今のは…雷空牙……ほ、星の鉄槌を使えるのか…」

吹き抜けになった玉座の間で、レイは高笑いした。

「ははは!馬鹿な!ありえん!ありえん!いや、あってはならない」

もうレイは、後ろに下がることもできない。


僕は、両手を広げた。

階段から、動かなくなった骸骨達を砕きながら、チェンジ・ザ・ハートは飛んできた。

2つの物体は、僕の両手におさまり、クロスすると…

剣になった。

「その剣は!!」 

レイは絶句した。

僕が持つ剣は、ライトニングソードではなかった。

光り輝く十字架のような剣。

レイは、その剣を指差し…わなわなと震えた。

「お前は……それが何か知っているのか!」

僕は片手で剣を持つと、ゆっくりと、レイに近づいていく。

「その剣は、シャイニングソード!我らバンパイアと戦ってきた…歴代の勇者達が、手にしていた剣!それが、なぜ…バンパイアのお前の手に!」

レイの両手から、雷空牙に匹敵する雷撃が、放たれたが、僕は軽く剣を振るうだけで、相殺した。

「あり得ない!お前の存在など!」

僕は、シャイニングソードをレイに向かって、投げた。

十字架状のシャイニングソードが、レイに突き刺さった。

レイの口から、鮮血が流れるが、レイの笑いは止まらない。

「お前が、どんなに強くなろうが…不死である我を殺すことなど、不可能!」

笑い続けるレイの首筋に、僕は手を差し込んだ。

そして、僕より長身のレイを持ち上げる。

「無駄だと言ってるだろ!」

笑い続けるレイの体から、煙が立ち上ぼり始めた。

「な!?」

自分の体に起こった変化に、レイは気付いた。

「馬鹿な!燃えている!私の体が」

レイの体が、光に包まれる。

「違う!燃えてるんじゃない……火の力ではない!この力は!」

レイは、何とか赤星の手から逃れようとするが、びくともしない。

「あり得ない!我らは、バンパイアだぞ!それなのに!それなのに!これは!!」
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