天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
太陽がほしいか?
全人類のもとに、伝令が一斉に放たれたのは…

赤星が、レイを倒した3日後のことだった。

人々は、カードに飛び込んできたメールを見て、目を見張った。

(魔界への総攻撃を、明日行う。戦う意志のあるものは、集え)

場所は、実世界でいう北朝鮮の北部だった。

アルテミアと二人の女神の決戦場所であった……三ヶ所ある魔界への入口で、もっとも、進撃しやすかった。

残りの2つは、ヒマラヤやアルプスなど、険しい山を越えなければならなかった。



早くも、陣をひいた魔法防衛軍の本隊は、西園寺直属の親衛隊が、前面に展開していた。



「魔敵反応。多数!」

ギリシャにあった本部を、まるごとテレポートするという離れ業をやってみせた西園寺は、オペレーターの報告を無言できいていた。

「しかし、こちらの動きには気付いていません」


タバコを吹かしていたマリアは、インカムをオンにした。

「思念波、大丈夫?」

「はい!」

すぐに、オペレーターの返事が返ってくる。

「ジェシカ!聞こえる?今どの辺りにいるの?」

マリアの問いかけに、ジェシカの声が、指令室にこだました。

「只今、ポイント0003!魔敵反応多数ありますが…こちらには、気付いていません!」

ディグを装着したジェシカは、ステルス機能を使い、魔界内部へと、先に侵入していた。

「只今より、作戦行動に入ります」

ディグは、持ってきた地雷をそこら中に埋める。

「本当は、小型核爆弾を仕掛けたかったんだけど…肉弾戦になるからね」

マリアは、残念そうに呟いた。

ぞくぞくと集まる勇者や戦士達は、生身である。

核は使えない。

「まあ……それに変わるものは、用意しているし」

マリアは、タバコを吸った。


指令室の一番前にある巨大スクリーンに、異形の戦士が映る。

ジェシカのディグが、黒なら……白い真珠のようなボディカラーの人形。

ディグがモノアイであったが、そいつは、複合型の昆虫のような目をしていた。 

両手についた鎌状のブレイド。手の指が、異様に長い。

その姿は、カマキリに酷似していた。

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