天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「!?」

マリアは、目を見開いた。

「照合完了!空中から来るのは、アルテミア!テレポートは……騎士団長です!」

オペレーターの報告よりも、マリアはいきなり、現れた者達に絶句した。

「なぜ……アルテミアや、彼らが!」

アルテミアも予想外だが、騎士団長がでてくるのは、信じられなかった。

「やはり……無理か」

マリアは、唇を噛み締めた。


「これ以上……核を撃たれてたまるか!」

結界を突き破り、十万の軍隊と、それを指揮する防衛軍本部を、眼下に見下ろしながら、

アルテミアは、落下していく。

念動力で、本部に装備されていた核弾頭を抑えたのは、アルテミアだった。

この結界の中で、発射されても、中にいる軍勢が死滅するだけだ。

アルテミアは、落下しながら、雷撃を、本部に落とした。

ピンポイントで、核弾頭の発射システムを、破壊した。


「きゃっ!」

キーボードに、指を走らせて、オペレーター達が痺れて、思わず指を離した。

「遊撃システムだけが……破壊されました」

痺れながらも、何とか状況を調べたオペレーターの報告に、マリアはきいた。

「どれくらいで、修復できる?」

「1日は…かかります!」

冷静な報告に、マリアはまた舌打ちした。

「天空の女神め!」




十万の軍勢の前に、降り立ったアルテミアは、嫌な気を感じ、周りを見回した。

「アルテミア!」

軍勢の前方にいた兵士達は、一斉に銃口を、アルテミアに向けた。

数千の銃口を、気にせずに、アルテミアは城の方を睨んだ。

「てめえら!」

動きが止まっているディグブレイドと、アルテミアの間に、四人の魔神が、テレポートしてきた。

「ギラ!サラ!バイラに……リンネか」

四人の騎士団長が、姿を見せた瞬間、アルテミアのアドレナリンが一気に、高まった。

「邪魔するなら、殺すぞ」

アルテミアの瞳が、赤く光り…魔力が溢れる。


その瞬間、バイラ達は笑った。

動きを止めていたディグブレイドの瞳がまた輝き、

魔界に向けていた体をアルテミア達に、向けた。


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