天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ヴィーナス!光臨!」

ブロンドの髪に、白を基調とした服に、透き通るような白い肌。

その美しさは、群を抜いていた。

僕が憧れ…一目惚れした…美女。



「ライ!」

アルテミアの右手には、シャイニングソード。左手には、ドラゴンキラーが、装着していた。

「笑止!」

ライは玉座を立った。

「お前では、我を倒せない。赤星に変われ!」

ライは、全身に凄まじい魔力が漲る。

「笑止なのは、てめえの方だ!」

アルテミアは、一歩前に出た。

「今のあたしは、ひとりじゃない!ロバートに、サーシャ!それに赤星に!赤星の仲間!みんながそばにいる」

アルテミアは、叫んだ。

「モード・チェンジ!」

それは、新たなるフォーム。いや、彼女本来の姿かもしれない。

サンシャインモード。


アルテミアを包む鎧が、まるで真珠のように透き通る白。

無駄な気を漏らすことなく、落ち着くことで、鎧は純白を保つ。

そう……かつてのホワイトナイツ、ティアナのように。


「あたしは、あたしは!」


アルテミアは、ライに向かって走りだす。

「お母様のように優しく!強く!ロバートのように、己に厳しくて…サーシャのように、潔く!そして」

ライの両手から、光が放たれるが、アルテミアはシャイニングソードで払いよけた。

「そして、赤星のように!誰かの為に、戦う人間になりたい」

アルテミアは飛んだ。

「これは、あたし一人の一撃じゃない!」

アルテミアは、シャイニングソードとドラゴンキラーを振り上げた。

「みんなの一撃だああ!」


「フン!」

ライは、両手をシャイニングソードとドラゴンキラーを受けとめる形で、突き出した。 

「この世界は、あんたのものでも、あたしのものでもない!」




太陽よりも、眩しい光が玉座の間を照らし、

漏れた光が、城から世界へ放れた。

それは、あまりにも眩しく暖かい光だった。

もし、宇宙にいた者がいたら、目撃したことだろう。

太陽と逆の方向から、新たな太陽の光が、溢れてきた瞬間を。






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