天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「だって…今の力は、お前と融合してるからだし……この太陽の力がないと、あたしは、ライに勝てないから」

ちょっと弱気なアルテミアに、

「大丈夫だよ!アルテミアは、太陽だよ!今の力も、アルテミアが成長したからだよ」

慰める僕に、アルテミアはキレた。

「うるさああい!とにかく、しばらくは一緒にしろ!あたしから、離れるな!」

アルテミアの顔は、真っ赤になる。

「アルテミア……」

僕の心は、ドキドキし……何とも言えない嬉しさに包まれた。


しばらく、言葉がでない二人に、

また人々の声が聞こえる。

「赤星!」

「アルテミア!」

二人は頷くと、翼を広げ、天をかけていく。


この世界を守る為に。


この物語は、まだ始まったばかりだ。

真の意味での勇者になるのは、まだまだ先だ。


そう……まだまだ先だ。

それだけ評判が悪い……アルテミアは……。






「何か言ったか?」

アルテミアは、僕に凄んだ。

「い、いや……」

僕は、言葉に詰まったが、恐る恐る…提案してみた。

「こ、こ、今度は……僕でいこうか?」




「はあ?」

アルテミアの機嫌が悪くなった。

「赤星!てめえ!」

「ご、ごめんなさい!」

「いつか、体が別れた時、絶対にぶっ飛ばす!」

アルテミアは、絶叫した。





「馬鹿じゃない」

その様子を、遠くから見ていたティフィンは、ため息をついた。

「あんな女より…もっといい女がいるのにさ…」

ティフィンは、片目でアルテミアを見……呟いた。

話にきくアルテミアの雰囲気とまったく違う…無邪気に笑い、怒るアルテミアに、

「まあ……お似合いかもね」

ティフィンは、アルテミアと逆の方向に飛んでいく。

「でも……あんたが、赤星を離れた時……」

ティフィンは、もう一度、振り向き、舌を出した。

「勝負なんだから!」


ティフィンは飛んでいく。


赤星の言う美しい世界を見にいく為に、

自由を堪能しながら。




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