天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「傷は大丈夫なのですか?」
ライの居城の前に広がる向日葵畑の中で、1人佇むバイラに、サラが近づき、後ろから声をかけた。
「フッ…」
バイラは笑った。
「そんな…大したことはないさ……」
サラは、切なげにバイラを見つめ、
「どうして……妖精や、聖霊を解放しました?このことにより、人間はまた魔力を使えることになりました」
サラの疑問に、
「我は…人から生まれた。だからこそ…人こそが、この世界の悪だと思っていた…。こんなにも、脆い存在。だが……その人が、我を止めたのは、事実…」
バイラは、手の平を見つめた。そこに、二本の傷痕がついていた。
「バイラ……いや、魔王ライよ……」
サラは、バイラに跪いた。
バイラは、ちらりとサラを見た。
サラは、言葉を続けた。
「あなたは、アルテミアのそばにいて、彼女の成長を促し……玉座に座るもう一人のライは、ティアナを愛し続けた」
バイラは、向日葵を見つめた。
太陽の光が、届きにくいこの城に、向日葵を植えたのは、ティアナだった。
向日葵なんて、育たないというライに、ティアナは微笑んだ。
「大丈夫よ…。だって、あなたがいるじゃない」
微笑みかけるティアナは、ライに近づき、
「あなたは、太陽のバンパイアなのだから…」
ティアナは、ライの手を取り、自分のお腹にあてた。
「この子が、生まれる頃には、きっとここは、向日葵でいっぱいになるわ」
バイラは、向日葵を見回した。
「あなたとライが、1人に戻れば……赤星浩一にも、負けないはずです」
サラの言葉に、バイラは笑った。
「ライは動かぬよ……。この向日葵を守る為に」
バイラは、城を振り返った。
「悲しいですね…」
「そうだな…」
バイラは、目をつぶり、
「悲しい程……人を愛している…」
天空のエトランゼ〜断罪の天使達〜 END
ライの居城の前に広がる向日葵畑の中で、1人佇むバイラに、サラが近づき、後ろから声をかけた。
「フッ…」
バイラは笑った。
「そんな…大したことはないさ……」
サラは、切なげにバイラを見つめ、
「どうして……妖精や、聖霊を解放しました?このことにより、人間はまた魔力を使えることになりました」
サラの疑問に、
「我は…人から生まれた。だからこそ…人こそが、この世界の悪だと思っていた…。こんなにも、脆い存在。だが……その人が、我を止めたのは、事実…」
バイラは、手の平を見つめた。そこに、二本の傷痕がついていた。
「バイラ……いや、魔王ライよ……」
サラは、バイラに跪いた。
バイラは、ちらりとサラを見た。
サラは、言葉を続けた。
「あなたは、アルテミアのそばにいて、彼女の成長を促し……玉座に座るもう一人のライは、ティアナを愛し続けた」
バイラは、向日葵を見つめた。
太陽の光が、届きにくいこの城に、向日葵を植えたのは、ティアナだった。
向日葵なんて、育たないというライに、ティアナは微笑んだ。
「大丈夫よ…。だって、あなたがいるじゃない」
微笑みかけるティアナは、ライに近づき、
「あなたは、太陽のバンパイアなのだから…」
ティアナは、ライの手を取り、自分のお腹にあてた。
「この子が、生まれる頃には、きっとここは、向日葵でいっぱいになるわ」
バイラは、向日葵を見回した。
「あなたとライが、1人に戻れば……赤星浩一にも、負けないはずです」
サラの言葉に、バイラは笑った。
「ライは動かぬよ……。この向日葵を守る為に」
バイラは、城を振り返った。
「悲しいですね…」
「そうだな…」
バイラは、目をつぶり、
「悲しい程……人を愛している…」
天空のエトランゼ〜断罪の天使達〜 END